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13 歯車の潤滑

13.1 歯車の潤滑法

歯車の潤滑法を大別すると次の3つに分類できます。

 

(1) グリース潤滑法
(2) はねかけ潤滑法(油浴式)
(3) 強制潤滑法(循環給油方式

 

これらは、歯車の使用条件によって適当に選定する必要があります。選定の基準となるのは、主に歯車の周速度(m/s)及び回転数(rpm)です。
上の潤滑法をこの周速度の高低で分類すると、低速ではグリース潤滑法、中速でははねかけ潤滑法、高速では強制潤滑法を使用するのが一般的です。しかし、これはあくまでも目安であって、たとえばかなりの周速度の範囲まで、メンテナンスなどの理由により、グリース潤滑法を使用することもあります。
表13.1には、この3つの潤滑法による周速度範囲の目安を示します。

低速、軽荷重の歯車では、グリース潤滑でも可能ですが、特に開放型での使用においては定期的なグリース補給が大切です。
潤滑油は、長期間使用すると劣化したり、油量が減少しますから、定期的にチェックして交換又は補充が必要です。油切れ及び不適切な潤滑油の使用は、歯面の焼付き、かじりなどの歯面損傷の原因になります。
高速、重荷重にて使用する歯車、及び摩耗しやすいウォームギヤ、ねじ歯車においては、潤滑油の種類、量、及び潤滑方法の選定には、十分注意してください。特に潤滑油の選定は、重要です。

 

表13.1- 平歯車及びかさ歯車の周速度範囲(m/s)

 

表13.1- ウォームギヤのすべり速度範囲

 

(1)グリース潤滑法
このグリース潤滑法は、開放歯車及び密閉歯車箱において、その周速度が比較的に低速である場合に使われます。
グリース潤滑法において注意しなければならない問題点はいろいろありますが、ここには3つ示します。

 

適切なちょう度のグリースを選定する。
特に、密閉歯車箱においては、グリースが有効に働くように、流動性のよいものが適しています。
高負荷、連続運転には不向きです。
グリースには油ほどの冷却効果はありませんから、高負荷、連続運転に使用した場合、温度上昇が問題になることがあります。
適量のグリースを使う。
グリースは少なすぎれば、潤滑効果は期待できません。 反対に、密閉歯車箱において、封入するグリースが多すぎると、かくはん損失が大きくなります。

 

(2)はねかけ潤滑法(油浴式)
このはねかけ潤滑法は、歯車箱にためた潤滑油を、歯車の回転によりはね飛ばして、その油によって歯車とか軸受を潤滑する方法です。低速でこのはねかけ潤滑法を使う場合は、周速度3m/s以上であることが望ましいです。
はねかけ潤滑法(油浴式)において、注意しなければならない問題点はいろいろありますが、ここでは油面の高さと歯車箱の限界温度について説明します。

 

油面の高さ
使用する油の量は、多すぎればかくはん損失が大きくなります。 少なすぎれば、潤滑効果や冷却効果は期待できません。 表13.2には、適切な油面高さの目安を示します。

 

油面の高さは、運転を始めると、静止していた時よりも下がります。この差が大きいときは、静止時の油面を高めにしておくか、オイルパンなどを付けるなどの対策が必要です。

 

表13.2 適切な油面高さ

ここに h = 歯たけ、b = 歯幅、d 2 = ウォームホイールの基準円直径、
d 1 = ウォームの基準円直径

 

歯車箱の限界温度
歯車箱の温度は、歯車や軸受の摩擦損失や潤滑油のかくはん損失によって、上昇します。 これによって種々の悪影響が出てきます。たとえば、

● 潤滑油の粘度低下
● 潤滑油の劣化
● 歯車箱、歯車、軸などの変形
● バックラッシの減少

 

最近は技術の進歩によって、高性能な潤滑油が多く出てきましたから、かなり高温まで使用可能となっていますが、目安として80℃~90℃くらいが限界温度です。
この限界温度を超えるようであれば、歯車箱の放熱性をよくするためにフィンを付けたり、軸にファンを付けて送風、冷却することが必要です。

 

(3)強制潤滑法
この強制潤滑法は、ポンプによりかみ合い部へ潤滑油を給油する方法で、給油の方法により滴下式、噴射式、噴霧式の3つに分類します。

 

滴下式
これは、パイプにより潤滑油をかみ合い部へそそぐ方式です。
噴射式
これは、ノズルにより潤滑油をかみ合い部へ噴射する方法です。
噴霧式
これは、圧縮空気により霧状にした潤滑油をかみ合い部へ噴霧する方式です。 この方法は特に高速の場合に用います。

 

この強制潤滑法は、油タンク、ポンプ、フィルタ、配管、その他一連のいろいろな装置が必要ですから、特殊な高速、大型歯車装置に使われます。
この方法によれば、フィルタでろ過し、クーラで冷やした、適正粘度の潤滑油をかみ合い部へ適量だけ送ることができますから、これは歯車の潤滑方法としては最良の方法です。

 

こちらの技術資料は冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があります。最新情報は最新カタログでご確認下さいますよう、お願いいたします。

 

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