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8 歯車の組立精度

8.3.1 かさ歯車の歯当たり

かさ歯車の製作において、歯当たり試験機による歯当たりとバックラッシの検査は必要不可欠です。 この検査によって、歯車の総合的な性能をみることができます。
この歯当たり試験機による検査においては、歯車に軽いブレーキ負荷をかけた状態で歯当たりを付けます。 この時の理想的な歯当たりは、図8.2のように、歯幅中央小端寄りです。 かさ歯車においては、負荷が大きくなるにしたがって、この歯当たりは歯幅中央へ移動していきます。 かさ歯車使用時の全負荷がかかったときに、歯当たりが歯幅中央にくるのが理想的です。

図8.2 中央小端当たり

 

このように、理想的な中央小端当たりに、かさ歯車を製作しても、 歯車箱の加工精度が悪かったり、歯車の取付位置が悪いと、その歯当たりも悪くなってしまいます。
このかさ歯車の歯当たりに影響するものには、次の3つの誤差が考えられます。

 

 歯車箱のオフセット誤差
 歯車箱の軸角度誤差
 歯車の組立距離誤差

 

これらのうちで、は歯車箱を再加工しなければ、良い歯当たりを得ることはできませんが、については、大小歯車を軸方向に移動して調整することによって、正しい歯当たりを得ることができます。
このうち3つの誤差は、程度の差はありますが、全てバックラッシの大きさに影響を与えます。

 

(1)歯車箱のオフセット誤差
図8.3のように、歯車箱にオフセット誤差があると、歯当たりはクロス当たりになります。
これは、歯車箱のオフセット誤差が、あたかも、歯車に歯すじ方向誤差(ねじれ誤差)があるかのように影響するからです。

 

図8.3 歯車箱のオフセット誤差による歯当たり

 

(2)歯車箱の軸角度誤差
図8.4のように、歯車箱の軸角に正(プラス)誤差があると、かさ歯車の歯当たりは小歯車(ピニオン)及び大歯車(ギヤ)共に小端当たりになります。
反対に負(マイナス)誤差があると、大端当たりになります。

 

図8.4 歯車箱の軸角度誤差による歯当たり

 

(3)歯車の組立距離誤差
図8.5のように、ピニオンの組立距離に正(プラス)側誤差があると、ピニオンにおいては低い歯当たり、ギヤにおいては高い歯当たりになります。これは、ピニオンの組立距離に正誤差があることにより、ピニオンの圧力角に正(プラス)側誤差があるのと同じように影響するからです。
反対に、ピニオンの組立距離に負(マイナス)側誤差があると、ピニオンにおいては高い歯当たり、ギヤにおいては低い歯当たりになります。これはピニオンの圧力角に負(マイナス)側誤差があるのと、同じ現象です。
この組立距離誤差は、組立時のシム調節などにより修正することができます。

 

図8.5 歯車の組立距離誤差による歯当たり

 

組立距離誤差はバックラッシの大きさにも影響します。この誤差が正方向に増加すると、バックラッシも増加します。
小歯車(ピニオン)の組立距離誤差は、歯当たりに大きく影響します。微小なバックラッシを調整する場合は、大歯車(ギヤ)のみ軸方向に調整するのが一般的ですが、大きくバックラッシを調整する場合は、歯当たりに悪い影響がでないように小歯車及び大歯車の両方を軸方向に調整します。

 

こちらの技術資料は冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があります。最新情報は最新カタログでご確認下さいますよう、お願いいたします。

 

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