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6 歯車のバックラッシ

6.3 歯厚とバックラッシ

歯車にバックラッシをつけるには、歯車の歯厚を小さくする方法と中心距離を大きくする方法があります。どちらかというと前者の方が広く普及していますから、ここでは歯厚を小さくする方法を紹介します。
前章5歯車の歯厚にて計算したのは、歯車の基準となる歯厚でした。一対の歯車において、小歯車の歯厚を基準の歯厚s 1よりもΔs 1だけ小さく仕上げ、大歯車の歯厚を基準の歯厚s 2よりもΔs 2だけ小さく仕上げた場合、円周方向バックラッシはΔs 1+Δs 2になります。ここで歯厚の減少量Δs 1Δs 2をそれぞれ0.1、基準圧力角α=20°とすると、円周方向バックラッシj t

j t = Δs 1+Δs 2
  = 0.1 + 0.1 = 0.2
これを法線方向バックラッシj n に換算すると
jn = j t cosα
  = 0.2×cos20° = 0.1879
半径方向の遊びjr に換算すると
このように歯車の歯厚を減少させて、バックラッシをつけるときは、JISのバックラッシの規格を参考にします。
JISのバックラッシの規格としては、JIS B 1703-1976(廃止規格)平歯車及びはすば歯車のバックラッシとJIS B 1705-1973かさ歯車バックラッシがあります。これらの規格は、正面における円周方向バックラッシj t の大きさを規定しています。これらは、標準的なバックラッシの大きさを規定しているわけで、使用目的によっては規格外のバックラッシを採用することもあります。
図面上に歯車の歯厚を記入するときは、歯厚以外に歯厚の寸法許容差及びバックラッシの大きさも記入する必要があります。

記入例としては
歯厚
バックラッシ 0.100~0.200
歯厚の寸法許容差はバックラッシを決めるものですから、とても重要です。

 

こちらの技術資料は冊子カタログ3013(2015年)当時のデータであり、一部データが古い場合があります。最新情報は最新カタログでご確認下さいますよう、お願いいたします。

 

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